医師 宮沢あゆみのコラム「セルフプロデュース力を磨こう!」
月経前症候群(PMS)の症状が重くなりがちな人の性格には、一定の傾向がある。真面目で几帳面、負けず嫌いで自分に厳しい女性である。
社会で働くうえでは理想的な性格なのだが、責任感が強いために、月経前に生活の質(QOL)が低下して、仕事の能率が落ちることに強いストレスを感じる。完璧主義ゆえに、きちんと仕事がこなせなくなる状態が許せず、自分で自分を追い詰めてしまうのだ。
このため、“パブロフの犬”ではないが、「もうすぐ月経が来る」と思っただけで、条件反射的に憂うつになってしまうのである。
もし、あなたが自分に厳しい人ならば、月経前だけは自分自身に対する期待値を少しだけ下げてみよう。
月経前に仕事の能率が落ちるのは、あなたのせいではない。避けて通れない月経なら、自分に対する期待値を少しだけ下げて、その期間は予定を詰め込みすぎないようにしよう。身体にも負担をかけないように気をつけて、穏やかな気持ちで過ごすように心がけよう。
月経前の不快な時期を少しでも快適に過ごすためには、セルフケア、セルフコントロールの能力が大切になってくる。
一言でいえば、自分が心地よいと思える環境を自分でプロデュースする能力だ。そして、こうした能力が必要なのは、なにも月経前に限ったことではない。日頃から食事、運動、睡眠、生活リズムなどに気を配り、自分が最も心地よく生活できる環境をセルフプロデユースする習慣を身につけるといいだろう。