医師 宮沢あゆみのコラム「PMSを我慢する理由など存在しない!」
月経前症候群(PMS)の治療を希望して医療機関を受診する女性が増えてきたのは、女性の社会進出が進んだことと関係がある。
PMSの治療を希望する女性の多くが、月経前に精神的に不安定になることで職場の同僚や上司および取引先と良好な人間関係が築けなくなることに悩んでいる。「自分のイライラや攻撃性をどうにもコントロールできず、相手にぶつけてしまい自己嫌悪に陥る」と訴えられる方が非常に多いのだ。
自己嫌悪に陥るだけならいいが、それがその人の社会的評価となり、職場で孤立したり、昇進に影響するようであれば、もはや一人で悩まないで治療を受けていただきたいと願う。
信頼を築くのには時間がかかっても、失うのは一瞬である。PMSのために、これまで築いてきた良好な人間関係や信頼関係を壊してはならない。
PMSに対して理解のない上司に、「だから女性は扱いづらい」などと嫌味を言われて、自らの社会的評価を下げたり、女性の地位を貶める材料にされないうちに、早めに相談に来ていただきたいと思う。
女性がPMSを我慢する理由などないし、医師がPMSの症状を緩和するために治療を行わない理由などどこにもない。私は女性が生き生きと社会参加できるお手伝いをしたいと心から願っている。