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医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「思春期はホルモン分泌が不安定」

医師 宮沢あゆみのコラム「思春期はホルモン分泌が不安定」

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思春期は、卵巣から女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が始まり、女児が女性らしい体つきに変化する時期である。
この時期に初経を迎えるが、初経年齢には個人差がある。平均して10歳から14歳、学齢でいうと小学校の高学年から中学生の頃だ。

15歳になっても初経をみない場合には、婦人科へ行って相談した方がいいだろう。卵巣機能が未熟でエストロゲンの分泌が低下したままだったり、脳下垂体から分泌されるプロラクチンというホルモンの分泌の異常が認められる場合もあるからだ。

初経後、数年間はホルモン分泌が安定しないため、月経は不順になりがちで、心身ともに不安定な時期となる。
このため、「月経が1回来ただけで次が来ない」「月経周期がバラバラで、いつ来るのかわからない」「不正出血がダラダラ続いて体育の授業に差しつかえる」など、さまざまな悩みを抱えることになる。

 
1.月経異常
正常ではない月経パターンを総称して「月経異常」という。月経異常は、「月経周期の異常」と「月経量の異常」に分かれる。

  
2.頻発月経と希発月経
月経周期の異常では、周期が24日以内を「頻発月経」、周期が39日以上を「希発月経」といい、頻発月経と希発月経を合わせて「月経不順」という。
思春期の希発月経は、エストロゲンの分泌が安定すれば改善することが多いが、頻発月経はトラブルになりがちだ。月に2回も来たり、ダラダラとした出血が1か月近く続く場合もあり、夏のプールや修学旅行の時期に、「月経と重ならないようにしてほしい」と、母親が子供を連れて相談に来ることも多い。頻発月経は貧血の原因ともなるので、長く続くようなら、医師に相談しよう。

 
3.原発性無月経と続発性無月経
18歳になっても初経が来ない場合を「原発性無月経」といい、これまで来ていた月経が3か月以上来なくなった場合を「続発性無月経」という。
女性の体が子供から大人に変化していく大切な時期に、初経が来なかったり、長期間、月経が止まると、後々の治療が非常に困難になり、将来の妊娠が難しくなることがある。無月経は決して放置してはならない。

 
4.過少月経と過多月経
月経量の異常では、月経が3日以内に終了し、その量が極端に少ない場合を「過少月経」といい、月経が8日以上続き、レバーのような塊が混じって貧血になるほど量が多い場合を「過多月経」という。
過多月経は子宮筋腫などが原因でおきることが多く、思春期にはあまりみられない。初経後しばらくはホルモン分泌が不安定で、排卵のない月経が続くことが多い。無排卵月経では経血量が少なくなるので、過小月経は過度に心配する必要はない。

  
思春期の月経異常は、ほとんどがホルモンバランスの乱れが原因なので、卵巣機能が成熟し、エストロゲンの分泌が順調になれば次第に落ち着いてくる。思春期に初経が来たら、何でも相談できる婦人科の医師に、”かかりつけ医“になってもらうと安心だろう。

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