あゆみクリニック 女医 宮沢あゆみ 女性外来 婦人科 千代田区 完全予約制

医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「基礎体温をつけよう!」

医師 宮沢あゆみのコラム「基礎体温をつけよう!」

<症例1>
美奈ちゃんは16歳の高校2年生。母親に連れられて来院した。

「13歳で生理が来たのですが、それから3年間ずっと不順で、月に2回も来たかと思うと、2か月も来なかったりで、いつ生理が来るのかわからないんです。今度、林間学校があって、1週間、お友達と一緒に生活するのに生理がぶつかると大変だなと思って。可能なら当たらないようにしたいのですが・・・」

「月経の変更は、規則正しく来ている人なら簡単ですが、いつ来るかわからない人の月経を変えるというのは、本来、変える必要があるのかどうかも不明で、なかなか大変なのです。基礎体温はつけていますか?」
「いえ、まだ早いと思っていました」

「今からつける習慣をつけておくといいですよ。特に月経不順の人は、基礎体温をつけていただけると診察の助けになるのです。毎朝の体温をグラフにした基礎体温表には色々な情報が詰まっていて、検査をしなくても、グラフを見ただけで診断がつくことも多いのです」
「わかりました。早速つけさせてみます」

「美奈ちゃんできるかな? 朝、起きたら体を動かさずに、婦人体温計を舌の下に入れて、ピッと鳴るまで5分間ほど測ります。測る時間は毎朝、だいたい一定の時間になるようにしてくださいね。測った体温は、すぐに基礎体温表に記録する習慣をつけましょう」
「はい、やってみます」

「慣れないうちは面倒に感じるかも知れませんが、慣れてきたら日々の体調なども記録しておくといいですよ。自分の体調管理ができる日記のようになって、“つけないと落ち着かない”という人もいるくらいです。最初はお母さんも見てあげてくださいね」

  
女性は月経が始まると、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの影響を受けて、基礎体温に微妙な高低の変化が生まれる。その変化をグラフにしたものが基礎体温表である。

月経不順の相談で医療機関を受診する場合には、最低2~3か月分の基礎体温表をつけて持参していただけると、診断がスムーズに運ぶ。基礎体温表には、月経日、月経量、月経期間などを書き込む欄があって、長く記録していただければ、月経周期のパターンなどもわかるようになる。

ホルモンバランスが正常か乱れているか、排卵があるかないかなど、基礎体温表から読みとれる情報は非常に多い。自分のからだのリズムを知るためにも、毎朝、基礎体温を測り、その日の気分や体調の変化なども合わせて記録しておこう。からだのリズムがわかれば、体調に合わせて予定を組んだり、月経周期をコントロールすることも可能となるからだ。

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