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医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「ピンポン感染に気をつけよう」

医師 宮沢あゆみのコラム「ピンポン感染に気をつけよう」

「ピンポン感染」という言葉を耳にしたことがあるだろうか?

カップルの一方が性感染病にかかった場合、性交渉によってパートナーに病気をうつしてしまう可能性がある。女性が治療をして完治しても、パートナーが治療をしなければ、性交渉によって再び感染してしまう恐れがある。その逆もまたありえる。

性感染症で厄介なのは、カップルで治療を行わない限り、病気をうつしたり、もらったりのピンポン感染を繰り返し、いつまでも完治しないという点である。

私は、性感染症にかかった女性に対しては、パートナーに真実を打ち明け、パートナーにも検査を受けてもらうように勧めている。男性側に感染の原因があり、今後も繰り返される恐れがあると思われる場合には、男性と直接会って率直に話をすることもある。

性感染症を打ち明けられた時にどういう対応をとるかは、男性の誠実度を測る踏み絵になると思っている。「自分が原因じゃない」とか、「自分はかかっていない」などと言い張って誠実に対応しない男性とは、別れた方が無難である。

当然ながら、女性側に感染の原因がある場合もある。他の男性と浮気をして病気をもらってきた場合、正直に打ち明けるという人はごく少数だ。ほとんどの女性はパートナーには秘密のまま治療をしたいと望む。その場合には、完治するまでは性交渉をもたないように言ってきかせる。

しかし、すでにパートナーにうつしてしまった可能性がある場合には厄介なことになる。正直に話せば、ひと悶着おこるだろうが、そのままではピンポン感染を繰り返し、いつまでも治療の実があがらないからである。

本人とパートナーのどちらが原因だとしても、その関係に波風が立つことは避けられず、悩ましいのが性感染症なのある。

次回から、具体的な症例を通して、性感染症がかかえる問題点を解説していくことにしよう。

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