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医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「萎縮性膣炎」

医師 宮沢あゆみのコラム「萎縮性膣炎」

若い頃には潤いと弾力があった膣も、更年期以降にエストロゲンの分泌が減少すると、膣粘膜が萎縮して弾力性がなくなる。膣壁も薄く脆弱になり、トイレでいきんだり、くしゃみをするなど腹圧がかかると、少々の刺激でも出血しやすくなる。また、膣分泌物も減少するため、膣が乾いて性交痛に悩まされるようになる。これを「委縮性膣炎」という。

 
1.性交痛の緩和方法
更年期以降に「性交渉が苦痛になった」と訴えられる女性は多い。膣の乾きが原因ならば、潤いを補うために潤滑ゼリーを塗れば痛みを和らげることができる。潤滑ゼリーは薬局やネットでも手に入るので、気軽に試してみるといいだろう。

膣粘膜の萎縮が強く、潤滑ゼリーでは痛みが改善しない場合には、エストロゲン入りの膣錠を使うと、膣粘膜に柔軟性や潤いが戻って性交渉が劇的に楽になる。

この膣錠はエストロゲン作用が弱く、局所にのみ効果を発揮するため、性交痛の緩和にはもってこいだ。1日に1回、就寝前に自分で膣の奥に錠剤を挿入するだけである。ただし、必要以上に使うと、膣分泌物が増えたり、外陰部が腫れたりするので、医師の指導のもとで適量を使うようにしよう。

 
2.膣炎の対処方法
老年期に入ると免疫力が落ちて、膣がもっている自浄作用が低下するため膣炎をおこしやすくなる。炎症がおきると膣分泌物が増加する。

尿漏れパットを使っていたり、痔などがある人は、清潔を心がけないと細菌性膣炎をおこしやすい。また、乾燥によるかゆみを訴える人も多く、外陰部や膣が真っ赤にただれることもある。

尿漏れパットはなるべく使わないようにして、汚れたら下着をまめに取り換えよう。痔核や痔瘻などがある人は肛門科に相談してみよう。

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