医師 宮沢あゆみのコラム「骨粗鬆症・食事編」
骨粗鬆症は心がけ次第で十分に予防できる病気である。
例えば、食事である。牛乳、小魚、海草などカルシウムを豊富に含む食品をバランス良くとることが大切だ。
マグネシウムも骨の形成にとって重要である。マグネシウムはカルシウムを効率よく吸収するためにビタミンDを活性化するほか、アルカリホスファターゼという酵素を活性化している。アルカリホスファターゼは、骨として蓄積されるリン酸カルシウム結晶の形成を促すことから、骨形成の指標として用いられている。
骨形成がスムーズに行われるためには、カルシウムの2倍のマグネシウムが必要だといわれている。マグネシウムを含む食品には、濃い緑の野菜、リンゴ、種子類、ナッツ類、イチジク、レモンなどがある。
その他、ビタミンC、ビタミンB6,ビタミンK,亜鉛、リンなども骨の形成に重要である。ビタミンDはカルシウムとリンの吸収を促し、骨への取り込みを助ける。ビタミンDは日光によってつくられるので、適度に日光浴をするのも良いだろう。
骨粗鬆症は女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少によっておこるため、エストロゲン補充療法による予防や治療が可能である。
骨粗鬆症の予防のためにエストロゲン製剤を用いることは保険上も認められており、骨粗鬆症になった後でも効果がある。カルシウムの吸収を促す働きがある活性型ビタミンDと併用するとより効果的だ。