更年期外来
更年期の精神的・身体的な悩みのご相談にのっております。
配偶者の同伴も歓迎しております。
1.不正出血・月経不順
更年期になると卵巣機能の低下により月経周期が崩れて、月経がとんだり、月
に2回きたり、ダラダラと不正出血が続くなど不安定になります。
更年期に入ったかどうかは、血液中の女性ホルモンの濃度を調べることによっ
て簡単にわかります。
ただし、この年代は子宮筋腫や子宮がんの好発年齢でもありますので、不正出血がある場合には、必ず子宮がん検診を含む婦人科検診を受けましょう。
2.ほてり・のぼせ・発汗・動悸
女性ホルモンと自律神経の司令塔は脳の視床下部というところにあり、片方の
バランスが崩れると、もう片方のバランスも崩れていきます。
更年期になると自律神経も疲労してきて、ほてり(いわゆるホットフラッシュ)、
のぼせ、発汗、動悸などの自律神経失調症状が出現してきます。
更年期の身体の不調は、ホルモンバランスが乱れても、自律神経が失調しても
おこります。適切な治療をすれば必ず症状は改善していきますので、気軽に相
談していただきたいと思います。
3.不眠・イライラ・鬱(うつ)
心と体は密接につながっています。ホルモンバランスの乱れによって精神的にも落ち込みがちなのが更年期の特徴です。
ホルモン分泌の低下による不調の場合には、ホルモン補充療法(HRT)によって見違えるほど元気になりますが、「仮面鬱病」といって、精神的な悩みが身体症状として現れることもあるので注意が必要です。
精神科や心療内科で処方される抗鬱剤・精神安定剤のなかには月経を止める作用があり、更年期の症状を悪化させることもあるので、「更年期なのかな?」と思ったら、精神科に駆け込む前に相談していただきたいと思います。
当院では、漢方薬、自律神経改善薬、ホルモン補充療法など、患者さんの症状に合わせて、さまざまな治療を行なっております。
4.高血圧・高脂血症・糖尿病
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とも密接に関連しているのが高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病です。
更年期になると基礎代謝が低下するため、脂肪を蓄積しやすくなります。女性ホルモンであるエストロゲンには、善玉コレステロール(HDL)の生産を促し、悪玉コレステロール(LDL)の生産を抑える働きがあります。更年期にエストロゲンの分泌が低下すると、悪玉コレステロールが血管壁に沈着して動脈硬化をおこし、心筋梗塞や脳梗塞といった心臓血管系の病気のリスクが高まります。
当院では生活習慣病の予防・治療および食事指導、運動指導に力を入れております。
5.骨粗鬆症
骨粗鬆症は閉経後の女性の生活の質 (QOL)を左右する深刻な問題です。
女性ホルモンであるエストロゲンには、骨の吸収を抑えて形成を促す作用があ
ります。更年期以降にエストロゲンの分泌が低下すると、骨からカルシウムが
抜けてスカスカの状態となってしまい、骨折をおこしやすくなります。
特に大腿骨頸部骨折は女性に最も多く、いったん寝たきりになると、その後の
生活の質が著しく低下してしまうので要注意です。
骨粗鬆症はエストロゲン補充療法によって予防や治療が可能で、骨粗鬆症治療
薬である活性型ビタミンDを併用すると効果的です。
当院では骨粗鬆症の予防・治療および食事指導・運動指導に力を入れております。