医師 宮沢あゆみのコラム「診断方法」
大きな筋腫はゴツゴツと固く触れるので、内診でも診断がつくが、小さな筋腫の大きさや位置を詳しく知るには、超音波やMRIなどの画像診断が欠かせない。
画像診断では、筋腫は周囲との境界が明瞭な黒い塊として映る。内部が石灰化して白っぽく見えることもあるが、筋腫の診断は容易である。
以下に、子宮筋腫と鑑別を要する疾患を挙げておく。
1.子宮体がん
子宮体がんでも子宮が肥大して大きくなることがある。
出血がダラダラ続き、超音波で子宮内膜が厚い場合には、子宮内膜の細胞診や組織診を行ない、がんの可能性を否定しておく必要がある。
2.子宮肉腫
子宮の平滑筋に発生するがんで、発育が早いのが特徴である。
短期間に倍増するようなコブは精査した方がいいだろう。
3.子宮腺筋症
子宮内膜症の1つで、子宮の筋層内にもぐり込んだ子宮内膜組織が塊をつくったものである。
超音波で筋腫のようにコブの境界がはっきりとせず、子宮全体が大きく固く触れるのが特徴である。