医師 宮沢あゆみのコラム「子宮筋腫とは?」
子宮は不思議な臓器である。
妊娠すると胎児の成長に伴って伸張し、分娩後は速やかに元の大きさに戻る。
これは、子宮の壁が伸縮性のある平滑筋繊維で形成されているためだ。
この平滑筋繊維が部分的に増殖し、ロールキャベツ状に丸く巻いてコブを形成したものを「子宮筋腫」という。
子宮筋腫は、がんとは異なり悪性化しない良性のゴブで、小さなものを含めると成人女性の4人に1人に認められるといわれるほどポピュラーなものである。
早ければ20代前半から認められ、いったんできると徐々に大きくなり、数も増えていくことが多い。卵巣から分泌される女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)が筋腫の発育を促しているためだ。閉経してエストロゲンの分泌が減少すれば、次第に縮小していく。