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医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「不正出血はさまざまなサイン」

医師 宮沢あゆみのコラム「不正出血はさまざまなサイン」

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<症例1>
28歳の未婚女性。不正出血を主訴に来院した。

「最近、頻繁に不正出血があるので心配です」
「いつ、どのような時に出血するのですか?」
「大体は、性交渉の後です」

「性交渉の後ですと接触出血ですね。子宮膣部にびらんがある場合や、子宮頚部にできたポリープが、性交渉の刺激で出血する場合もありますので、よく診てみましょう」

「子宮がんの可能性もありますか?」
「不正出血をきっかけとして子宮がんがみつかることもあります。ただし、女性の場合には、月経と月経の間の排卵期に、”排卵出血“といって、少量の出血をみることがあります。これはホルモンの変動でおきる生理的現象ですので心配ありません」

「いつ、どのような時に出血したかが大事なんですね」
「そのとおりです。一口に不正出血といっても、月経周期のいつ、どのような状況でおきたかによって診断が異なってきますので、ご自身でも出血があった日やその時の状況をメモしておくといいですよ」

 
不正出血とは正常な月経以外の性器出血のことで、さまざまサインを出している。そのサインを正しく受けとめるには、月経周期のいつ、どのような状況で出血がおきたかを知ることが不可欠だ。

頻繁に不正出血がある人は、基礎体温表をつけて、そこに不正出血があった日や量などをメモしておくと診断の助けとなるので、お勧めしたい。
以下に、不正出血のパターン別に解説をしておこう。

 
1.器質性子宮出血
子宮に何らかの問題があっておきる出血である。
最も深刻な原因としては子宮がんがあるが、その他、子宮膣部びらん、子宮頸管ポリープ、子宮内膜症、子宮筋腫などがあっても不正出血がみられることがある。
子宮膣部びらんは、エストロゲンの働きで子宮膣部が赤くただれた状態をいう。性交渉後に出血しやすく、がんが潜んでいることもあるので注意が必要だ。
子宮頸管ポリープは子宮頸部から突出するポリープのことで、やはり性交渉後に出血することが多い。

 
2.機能性子宮出血
ホルモンバランスが崩れた時にみられる出血である。
排卵のない無排卵性月経では、月経周期が定まらないために、思わぬ時に出血することがある。
また、月経の前ふりとして少量出血がダラダラ続いたり、月経の後ふりとして出血がなかなか切れないことがある。月経前後の出血はホルモンバランスの乱れが原因でおきることが多い。

 
3.中間期出血
月経と月経の中間の排卵期にみられる出血である。
エストロゲンの分泌が一時的に減少するためにおきる生理的な現象で、これを「排卵出血」という。下腹部の痛みを伴うことがあり、これを「排卵痛」という。月経の中間期に痛みを伴う不正出血をみた場合には、排卵出血の可能性が高い。

 
頻繁に不正出血がある場合、自己診断は禁物である。必ず医師に相談をして出血の原因をみつけよう。不正出血がなくても、20歳を過ぎたら定期的に子宮がん検診を受けるようにしよう。

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