医師 宮沢あゆみのコラム「婦人科検診の賢い受け方」
1.医療機関の選び方
婦人科検診を受けるに当たり、どのような医療機関を選んだらいいかは、個人の好みによる。
「婦人科は初めてなので不安でいっぱい。恥ずかしいので女医さんがいい」と思っておられる方は、女性医師が検診を担当してくれる医療機関を選んだ方が、抵抗が少ないだろう。大きな病院では女性医師の指名は難しいことが多い。多くの患者さんを流れ作業で診ているので、個人的な相談にのってもらうことも困難である。
本来、子宮がん検診や卵巣がん検診は婦人科、乳がん検診は乳腺外科が担当するが、それぞれの検診を別々の医療機関で受けると時間もコストもかかってしまう。その点、女性外来を標榜している医療機関なら、子宮も卵巣も乳房も一緒に診てもらえるので安心だろう。
婦人科検診を機会に、生涯の「かかりつけ医」として、気軽に悩みを相談できるプライベート・ドクターを持つことをお勧めしたい。
2.今どきの検診事情
婦人科の内診台は羞恥心をそそるということが、女性が検診に足が遠のいてしまう理由の一つになっている。
しかし、最近では、腰をかけるだけで自動的に椅子が診察しやすい体位に変化する電動式が多く、医療機関もなるべく患者さんにリラックスしていただけるよう、腰にバスタオルをかけていただくなど工夫をしている。
子宮、卵巣の検査は、膣内に超音波の端子(プローブ)を挿入する経膣超音波が広まってから精度が高まった。一昔前の、腹部の上からプローブを当てる経腹超音波では、検診前に尿をためていただく必要があったが、経膣超音波では、検診前にトイレに行って、排尿をすませていただいた方が診察しやすいので、覚えておくといいだろう。
3.服装と受診のタイミング
脱着のしやすいダボッとした服装がよい。ズボンよりはフレアースカート、ワンピースよりは上下に分かれた服装の方が便利である。採血をする場合もあるので、袖のまくりやすい上着を選んだ方がよい。
月経中に診察ができないということはないが、婦人科検診を受けるなら、エストロゲンの影響を受けない月経終了後1週間以内がベストタイミングである。