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医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「診断方法」

医師 宮沢あゆみのコラム「診断方法」

子宮内膜症の診断は難しい。月経痛が強いだけで子宮内膜症ではない場合もあるので、詳しい症状を聞くことが大切になる。
医療の現場では、内診や超音波検査などでおおよその見当をつけて治療に入ることが多く、これを臨床診断という。確定診断をするには、腹腔鏡検査などで、直接、腹腔内を見る必要がある。
診断の流れは以下のとおりである。
 
<臨床診断>

1.問診
痛みの程度、痛みの部位、痛みを感じる状況について詳しく事情を聴く。

 
2.内診
腹部に当てた手と膣に挿入した指で卵巣や子宮をはさみ、臓器の位置や大きさ、臓器の可動性や痛みの程度、癒着の有無を調べる。

 
3.直腸診
直腸に指を挿入して、子宮と直腸の間(ダグラス窩という)の痛みの程度や癒着の有無を調べる。

 
4.超音波検査
超音波の端子(プローブ)を膣内に挿入する経膣超音波と、腹部の上から当てる経腹超音波がある。子宮の位置や大きさ、チョコレート嚢胞の有無および位置、大きさを確認する。経膣超音波の方が、卵巣を含めた腹腔内の状態をより詳しく把握できる。

 
5.血液検査
子宮内膜症が悪化すると、血液中のCA125という腫瘍マーカーが上昇する。CA125は診断とともに、治療の前後で治療効果を確認する補助的なデータとして参考にすることも多い。

 
 
<確定診断>

6.腹腔鏡検査
下腹部に1cm程度の穴を3~4ヵ所あけて器具やカメラを挿入し、モニターに腹腔内を映しながら操作する。腹腔鏡検査では、直接、子宮内膜症病変の有無や部位、癒着の状態などを確認して、確定診断をすることができる。同時に、癒着剥離などの治療も行なえるメリットがある。
子宮内膜症かどうか診断をつける必要がある場合や、子宮内膜症による不妊が疑われる場合には受けてみるとよいだろう。
 

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