あゆみクリニック 女医 宮沢あゆみ 女性外来 婦人科 千代田区 完全予約制

医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「治療方法」

医師 宮沢あゆみのコラム「治療方法」

薬物療法と手術療法がある。
 
1. 薬物療法

子宮内膜症は女性ホルモンの作用によって進行するため、ホルモン分泌を一時的に抑えることによって、子宮内膜症の進行を防き、症状を改善させる治療法である。
一時的に閉経状態をつくる「偽閉経療法」と、妊娠中のようなホルモン環境をつくる「偽妊娠療法」がある。

 
a) スプレキュア、リュープリン <GnRHアナログ>

脳下垂体に指令を出す視床下部ホルモンのアナログ(類似物質)を投与する。脳下垂体から卵巣に働きかける卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑えて、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を減少させ、閉経状態をつくり、症状を改善させる。
1日に3回、左右の鼻腔内に点鼻薬を毎日スプレーする方法と、4週間に1回、腹部などに皮下注射する方法がある。
ほてり、発汗、骨量低下などの更年期症状の出現に配慮して、6か月間を限度として投与し、休薬期間を設けながら治療する。

 
b) ボンゾール(ダナゾール)<男性ホルモン誘導体>

女性ホルモンである卵胞ホルモンに拮抗させるため、男性ホルモンに似たステロイドホルモンを投与する。脳下垂体に直接作用して卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を抑えて、卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンを減少させ、閉経状態をつくり、症状を改善させる。
また、子宮内膜病巣に直接作用して、増殖を抑制し委縮させる。
血栓症、肝機能障害などの副作用に注意が必要である。
1日に2回、約4か月間、毎日内服する。

 
C) ディナゲスト <黄体ホルモン剤>

黄体ホルモンは排卵後に卵胞が変化した黄体から分泌されて、妊娠を維持する働きをしている。この黄体ホルモンを投与することで「偽妊娠」の状態をつくり出し、子宮内膜組織の周期的な増殖を抑えて、症状を改善させる。
また、子宮内膜病巣に直接作用して、増殖を抑制し委縮させる。
月経は軽くなるが、子宮内膜が薄く剥がれやすい状態になるため、副作用として不正出血がおこりやすい。
1日に2回、毎日内服する。使用期間の制限はない。

 
d)低用量ピル
卵胞ホルモンと黄体ホルモンを主成分とした薬剤を使って、偽妊娠の状態をつくり出し、排卵を抑制することで子宮内膜症の進行を抑える。
月経時の出血量を減少させ、月経痛を和らげる効果もある。

 
 
2. 手術療法

手術には、開腹手術と腹腔鏡手術がある。
どちらも実際に腹腔内を見ながら病変を取り除き、癒着を剥離することができるので、確定診断と治療を同時に行なえるメリットがある。

 
e)開腹手術

開腹手術は、腹部を切って、肉眼で内腹腔を見ながら行なう手術である。
体への侵襲(負担)は高く、術後の回復には時間がかかるが、腹腔鏡手術と比べて広い視野が確保できるため、手術する範囲が広い場合や癒着が強い場合に選択される。
子宮筋層内に内膜組織がもぐり込む子宮腺筋症の場合は、部分摘出が困難なため、開腹による子宮全摘術が行なわれることが多い。
 

f)腹腔鏡手術

下腹部に1cm程度の穴を3~4ヵ所あけて器具やカメラを挿入し、モニターに腹腔内を映しながら行なう手術である。
卵巣にチョコレート嚢胞(のうほう)がある場合には、溜まった血液を吸引してアルコールで固定する方法や、嚢胞摘出術が行われる。ブルーベリースポットと呼ばれる青紫色の小さな斑点が散在している場合には、電気メスで焼灼したり、レーザーで蒸散させることもある。
身体への侵襲は低く、術後の回復も早いが、切除する範囲が広かったり癒着が強い場合には、術中にやむを得ず開腹手術に変更しなければならないこともある。

 
どちらの手術でも、術後、数年間は症状も落ち着き、妊娠率も高まる。
ただし、手術で完治するのは両側卵巣と子宮を全部摘出した場合のみで、それ以外は再発の可能性がある。
このため、術後には、再発を防ぐために薬物療法を追加することが多い。
 

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