あゆみクリニック 女医 宮沢あゆみ 女性外来 婦人科 千代田区 完全予約制

医師「宮沢あゆみ」による病気の話。「月経のメカニズム」

医師 宮沢あゆみのコラム「月経のメカニズム」

1.月経のしくみ

女性の卵巣には、胎生期につくられた卵子のもととなる多数の原子卵胞が長期間、眠っている。

思春期になると、脳の下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、原子卵胞は成熟卵胞となり、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)を分泌するようになる。エストロゲンの作用で子宮内膜は厚みを増していく。この期間を卵胞期という。

卵胞ホルモンの分泌がピークに達すると、次に脳下垂体から黄体形成ホルモン(LH)が急激に分泌される。このホルモンの影響(LHサージという)によって、成熟卵胞から卵子が排出される。これが排卵だ。

卵子を排出した卵胞は形を変えて黄体となり、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する。プロゲステロンは、エストロゲンが厚くした子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整える。この期間を黄体期という。

排卵した卵子が精子と出合って受精卵となり、受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が成立する。

受精卵が着床しなければプロゲステロンの分泌は減少し、増殖した子宮内膜は用がなくなるため、剥がれ落ちて体外へ排出される。これが月経だ。

つまり、女性のからだは、エストロゲンとプロゲステロンによってコントロールされている。この2種類のホルモンが、毎月、共同で妊娠が可能となるプロセスを整えているのである。

 
2.正常な基礎体温は2層性

成熟期の女性は、4週間かけてこのサイクルを繰り返している。そして、健康な女性の基礎体温は、エストロゲンとプロゲステロンの働きによって、排卵を境に低温期と高温期に分かれる。

月経から排卵までの卵胞期が低温期で、排卵を境に体温は0.3~0.5℃上昇して、黄体期に高温期となる。その後、体温は低下して再び月経が来る。よって、排卵がある女性の基礎体温は明瞭な2層性となる。

一方、無排卵の女性の基礎体温は、1層性か、もしくはガタガタと全く規則性がなくなる。低温期が異常に長い、高温期がないまま月経が来る、高温期が短い、などという場合には卵巣機能不全が疑われる。

特に、黄体からのプロゲステロン分泌が不十分なために、高温期が10日未満の場合を黄体機能不全という。黄体機能不全は月経不順や不妊の原因としてしばしば問題となる。

 
3.基礎体温表は貴重な情報源
基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギー消費量(基礎代謝という)によって発生する熱のことである。毎朝、起床時に舌の下に婦人体温計を入れて基礎体温を測り、これをグラフにしたものを基礎体温表という。

基礎体温表にはホルモン分泌に関するたくさんの情報が詰まっている。このため、毎朝、基礎体温をつけることは、最も手軽、かつ安価に自分の体調やホルモンバランスを知る手がかりとなる。

日頃の体調不良が実は月経前に限っていたり、排卵の時期に常に下腹部痛があるなど、基礎体温を記録することによって不調の原因や対処法がわかることも多いのだ。

月経が乱れてから慌てて基礎体温を測り始める女性が多いが、自分の体調やからだのリズムを知るためにも、思春期から基礎体温表をつけることをお勧めしたい。

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